尿のお悩み

「気になるけど大丈夫」「もう慣れた」と思っていると、大きな病気を見逃してしまうことも…。

男性の前立腺癌は早期発見でほとんどの患者さんの完治が見込める病気です。癌は自覚症状なく進行しますので、40~50歳の男性はぜひPSA検査を受けて下さい。

加齢に伴って増えてくる過活動膀胱(頻尿)も、適切に薬を使用したり日常生活の習慣を見直すことで改善へと向かうことができます。

主な尿の病気

前立腺癌

主な症状

ステージA、B、C、Dに分類します。癌が前立腺に限局する早期のA、Bと進行癌のDと、その中間のCです。通常Dを除くと前立腺癌に由来する特有の症状はありません。血液中のPSA(前立腺特異抗原)が4~10ng/mlのグレイゾーンにある人は癌の確率が約20~30%あります。確定診断はエコーガイド下前立腺針生検による病理組織学的診断が必要です。


前立腺癌の疑いがある時

前立腺針生検

前立腺癌の確定診断(病理学的診断)の必須です。PSAの値では癌と確定することはできません。PSA値4(ng/ml)~10未満のグレイゾーンでは針生検で20~30%に癌が発見されます。PSA10~20未満では40~50%、PSA20以上では90%以上に癌が発見されます。その他に急にPSAが高くなった場合や、親・兄弟に前立腺癌の方がいる人もリスクは高くなっています。

当院では日帰り針生検を実施しています。経直腸的エコーガイド下に12ヶ所生検をしています。結果は7~10日後に判明します。


前立腺癌の病期検索、治療、セカンドオピニオン

針生検で癌が確定したら、癌の進み具合、病期(ステージ)検索をします。CT、MRI、骨シンチグラムを行います。ステージA、Bは早期で前立腺に癌が限局している状態です。ステージDは進行癌で骨盤リンパ腺や骨に転移している状態です。ステージCは前立腺の被膜を超えて周辺に癌が拡がった状態です。

大ざっぱに言えば、72~3歳までで合併症のない元気な人ではステージA、Bならば手術(前立腺全摘)か放射線治療で根治を目標にすることが原則です。

ステージDの進行癌では抗男性ホルモン療法、ステージCでは手術、放射線、抗男性ホルモン療法を組み合わせで行います。現実的には治療選択肢は個々によって種々様々であります。セカンドオピニオンなど活用して自分で納得できる方法を決めて頂くのがよいと思います。


前立腺癌の抗男性ホルモン療法

前立腺癌の栄養源である男性ホルモンをブロックして癌の成長を抑える治療法です。癌の勢いの指標であるPSA値が確実に低下していきます。ステージDの進行癌でもPSA値が低下して健常者と変わらない日常生活をエンジョイできています。

抗癌剤と異なり抗男性ホルモン療法で使われている薬剤は、肉体的なダメージは殆どありません。 血栓発生や骨粗鬆症対する配慮は必要ですが、前立腺癌の病状コントロールには優れた治療法と思います。

現実的には治療選択肢は個々によって種々様々であります。セカンドオピニオンなど活用して自分で納得できる方法を決めて頂くのがよいと思います。


前立腺癌検診

PSA(前立腺特異抗原)は他の癌マーカー(CEA、AFP、CA19-9など)に比べて極めて有用な前立腺癌マーカーです。PSAによる前立腺癌検診はそれほど有益でないとの報道がありますが誤解があります。一般に癌検診の有用性は検診対象の癌の死亡率の増減によって判定されます。それに従えばPSA診断によって前立腺癌の死亡率が減少した証拠はありません。しかし前立腺癌の発見率は増加しています。

問題はあえて見つけなくても良い潜在前立腺癌を発見してすることです。80歳以上の男性を死後病理解剖すると30%に前立腺癌が発見されます。この前立腺癌は人生百年未満の現在、その人の生命に悪影響を与える恐れはありません。そのままにしておけばよいのです。要するに悪性度の低い前立腺癌を発見して余分な治療をするなということです。

PSA検診で前立腺癌の発見率は増えていることは事実です。検診で発見された前立腺癌を全て一律に治療するか否かを慎重に判断することが重要です。 基本的には40歳以上の男性は年に1回PSA検診を受けるのが妥当と考えます。

わくい泌尿器科医院

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